シンボルマーク 独立行政法人国立病院機構 姫路医療センター

〒670-8520 姫路市本町68番地
TEL:079-225-3211

血管撮影(IVR)

当科の特徴

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心臓用シングルプレーンと多目的用バイプレーンの2台の装置があります。主として通常の血管撮影とIVR(血管内治療:X線透視のもとでカテーテルなどの細い医療器具を入れて病気の治療をおこなう)写真の装置は、フィリップス社のAlluraシリーズで現在稼働中の2管球搭載、2方向同時撮影が可能なバープレーン血管連続撮影装置です。 心臓用は、シリーズの1管球型の装置ですが、平成29年度に更新を予定しています。 この装置は当センター脳卒中センターの開設に伴い、外科的手術をすることなく、カテーテルを用いた脳血管内手術を施行するにはなくてはならない最先端の装置です。診断および治療精度をより高める機能として、回転してDSA撮影を行うことによる3次元での血管描出が可能な他、CT撮影を行うことが出来るようになり、より精度の高いIVR治療を施行することが可能となりました。また2方向同時撮影により、造影剤使用量を抑え、造影剤による副作用のリスク軽減と検査時間の短縮することも可能となりました。またフラットパネル検出器により経年変化による画質の劣化を抑えることができます。


当センターは、心臓、頭頸部、腹部・四肢の血管撮影と血管内治療(IVR)をおこなっています。


心臓

冠動脈撮影、冠動脈狭窄病変に対するカテーテルによる治療(PCI)、ペースメーカ移植術、アブレーション治療などがあります。

まずは、正常な冠動脈を示します。

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次は、狭窄が存在する場合の治療前後の写真です。右冠動脈が狭窄しています。同部位をステントとバルーンで広げることにより狭窄部位が開通しました。

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頭部(脳血管)

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上の写真は正常な患者の左内頚動脈の造影画像です。 頭蓋骨の中を血管が走行しているのがイメ-ジ的にわかっていただけると思います。 脳の領域では頭部、頸部の血管を中心に診断と治療を行っています。代表的な症例を以下に示します。


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左の内頚動脈に瘤が確認できます。瘤の大きさ、形状、位置などに依存し、またその他リスクを考慮し、クリッピング術かコイル塞栓術かが選択されます。カテーテル検査ではコイル塞栓術を行います。コイルはプラチナ製で細い針金のような形態をし、このコイルを動脈瘤内にとぐろをまくようなイメージで複数本挿入し留置します。


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コイル塞栓後のレントゲン写真です。コイルの位置がわかります。


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血栓除去術の治療前後の写真です。
矢印の場所で血管が途絶えています。治療後は血管が開通し、末梢まで血流が確認できます
血栓除去用のデバイスを使用し、できる限り早期に治療を行うことで後遺症を避ける必要があります。
緊急度が非常に高い治療になります。


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頸動脈ステント留置術CAS(carotid artery stenting)の治療前後の写真です。
左の内頚動脈が狭窄しています。同部位をステントとバルーンで広げることで狭窄部位が開通しました。急激な血流の増加により、術後の過灌流になる可能性があります。ステント、バルーンの画像が見にくいため以下に拡大させた画像を正面、側面ともに表示させます。


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網目状に見えるのがステントで、その中に黒く見えるのがバルーンです。 頭蓋骨と重ねると位置関係がわかっていただけると思います。


腹部

当センターの腹部領域では肝動脈化学塞栓術が主で、他に交通外傷による血管外漏出時に行う骨盤部動脈塞栓術(止血術)、などを行っています。

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上の写真は正常な腹腔動脈造影の画像です。
以下に代表的な治療である肝動脈化学塞栓術について示します。


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肝細胞癌のある患者様に対する肝動脈化学塞栓術(TACE)

TACEとは、抗がん剤と固形塞栓物質を用いて行う化学塞栓療法です。
左の写真の矢印部位に腫瘍による造影剤の濃染がみられ、同部位にTACEを施行します。
右の写真はカテーテル装置で撮影可能なコーンビームCTの画像です。
通常のCTと比較すると画質はかなり劣りますが、注入された抗がん剤と固形塞栓物質が 目的とした肝臓の領域に充満されたかの確認かできます。(赤矢印)
赤矢印の高信号(白く)で表示されるのは抗がん剤に造影剤を混入させているため CT画像で確認できます。


胸部

当センターでの胸部領域では気管支動脈塞栓術BAE(bronchial artery embolization)が代表的です。喀血や血痰に対して止血術を行う治療です。以下に示すのはCT画像です。

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気管支動脈性の出血は喀血の大部分を占め、気管支動脈の拡張、血管増生が生じて 気管支と肺動脈との間に短絡(抜け道)を形成し破綻しやすくなります。
喀血の責任血管は気管支動脈が最も多いが、それ以外の肋間動脈、下横隔動脈などの血管の関与も確認した後、塞栓術を行います。



放射線科

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