整形外科
当科の特色
当科は、中播磨地域の基幹病院として近隣市町村だけで無く、最近では兵庫県北部、京都府など遠方から多くの患者様が来院されます。整形外科領域のほとんどの疾患を手術治療も含めて扱っておりますが、特に脊椎外科、関節外科、手の外科を得意としています。
脊椎外科に関しては、内視鏡下でヘルニア摘出術、椎弓切除術、椎体間固定術による腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症に対する加療を行えることが特徴で、術後早期に歩行可能であり早期社会復帰を目指しています。内視鏡下ヘルニア手術に関しては約8mmの傷で手術可能なPED(経皮的内視鏡腰椎椎間板ヘルニア摘出術)により患者様の更なる負担軽減を行っております。また、当院ががん拠点病院であることから脊椎の転移性骨腫瘍による疼痛や麻痺なども各科との連携のもと多く加療しています。
関節外科に関しては、人工膝関節、人工股関節置換術を綿密な計画のもと行っており、また肩腱板断裂、膝靱帯損傷、半月板損傷の内視鏡手術を行っております。
手の外科に関しては、内視鏡による手根管開放術を局所麻酔下に約10分程度の外来手術で行っており、かつばね指など軽微なものから切断指、末梢神経損傷など重度外傷まで幅広く対応可能です。
さらに、高齢化とともに多く生じている大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折、脊椎圧迫骨折などを含めた外傷外科に関しても早期社会復帰を目指した治療を心がけ診療しております。
経皮的内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術(PED)について

従来、椎間板ヘルニアの手術には全身麻酔下に2~6cmほどの皮膚と筋肉の切開が必要で、入院も8~14日間程度必要でした。細い内視鏡や専用の高周波メスを用いることで、約8mmの皮膚切開で手術を行うことが可能になりました。ヘルニアの存在する場所の皮膚を切開し、直径7mmの筒を挿入し、内視鏡で椎間板を観察しながら椎間板ヘルニアを摘出します。術前の患者様の症状によりますが、術後3時間から歩行開始し、翌日退院が可能です。
内視鏡下手根管開放術について

局所麻酔を十分に行った後に、手掌と手首に作った小さな傷から筒を通して、正中神経を圧迫している横手根靱帯を内視鏡で確認しながら切離する方法です。手術時間は10分程度、術後当日から手指の使用が可能です。
スタッフ紹介
役 職 | 氏 名 | 卒業年度 | 専門資格/所属学会 | 専門分野 |
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整形外科医長 リハビリテーション科 医長 |
小豆澤 勝幸 | 平成16年 | ||
非常勤医師 | 中山 裕一郎 | 昭和53年 | 日本整形外科学会専門医 | 人工関節 |
医 師 | 渡邉 晋太 | 平成20年 | ||
医 師 | 中川 正秀 | 平成23年 | - | - |
整形外科は現在 上記の常勤スタッフにより診療を行っております。スタッフ3名は、日本整形外科学会により経験、症例、試問、試験によって選抜された整形外科専門医です。
専門外来
骨粗鬆症 | 人工関節外科外来 | リウマチ外来 |
完全予約制となっております。
当院では、他の医療機関等との連携を積極的に行なっています。
初めて当院にかかる方でも、他の医療機関等から事前にFAXで紹介予約をとっていただきましたら、待ち時間が少なく希望の医師の受診をすることができるように、FAXによる地域医療連携予約も行なっています。地域医療連携室はこちらから
また、当院での治療後に牽引などの通院リハビリが必要な場合には、自宅近くの医院に紹介させていただき、患者様の通院の負担を減らすように心がけております。
このような病診連携を今後ますます推進することによって、患者様により良い医療が提供できるように考えています。
さらに、外来には、国家資格を持った装具士さんが毎日常駐しており、患者様の体型に合わせたコルセット、装具、杖などを、適切に処方できるような体制となっております。
リハビリテーションについて
リハビリテーション科において、理学療法士6名にて入院患者、外来患者様のリハビリテーション指導等を行っております。
リハビリテーション科のホームページはこちらからご覧いただけます。
手術について
手術は、基本的には (月)、(火)、(水)、(金)に行っております。
(火)、(水)、(金)は 麻酔科医による麻酔の上の手術となり、大きな手術が予定されています。
外来で手術の予約、申し込み、検査の上、予定の日時に入院、手術という運びとなります。
骨折などの外傷、緊急手術はすべての曜日にて、適宜対応しております。
人工関節をはじめ骨や関節は感染に非常に弱いため、クリーンルームと呼ばれる空調の一番整った部屋を用いて手術を行っております。
特に人工関節の手術は、排気システムという宇宙服のような格好で、手術を行います。これもまた感染が少しでも起こらないようにするためです。
カンファレンス・勉強会
木曜日15時からA-1病棟にて症例カンファレンスを行っています。勉強会も行い、日々よりよい医療を行うことが出来るように、努力を続けています。
手術症例数
(2017年手術症例数)
脊椎外科 | ||
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頸 椎 | 21 | |
胸・腰椎 | 167 | |
脊椎・脊髄腫瘍 | 3 | |
脊椎内視鏡手術 | ||
ME-TLIF 内視鏡下椎体間固定術 | 9 | |
MED 内視鏡下椎間板摘出術 | 8 | |
MEL 内視鏡下椎弓切除術 | 47 | |
PED 経皮的内視鏡下椎間板摘出術 | 85 |
関節外科 | ||
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股関節 | 人工関節 | 19 |
人工骨頭 | 8 | |
その他 | 1 | |
膝関節 | 人工関節 | 29 |
半月板手術 | 8 | |
その他 | 11 |
外傷外科 | ||
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骨接合術 | 上肢 | 55 |
下肢 | 97 | |
その他 | 11 | |
手の外科(骨接合術、再接着術は外傷外科に含める) | 43 |
腫瘍外科 | ||
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良性腫瘍 | 13 | |
悪性腫瘍 | 11 |
手術総数 | 562 |
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麻酔科,手術室および他科の協力の下,多くの手術例を手がけています。
手術症例は整形外科全般をカバーしています。