内科系初期研修プログラム
(循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、血液内科、糖尿病内分泌内科、リウマチ科)
研修責任者:嶋崎 明美
内科はあらゆる臨床医学の根幹をなすものであり、患者の全体像を把握するために医師として必須の習得事項である。
当院は、内科学会、循環器学会、呼吸器学会、呼吸器内視鏡学会、アレルギー学会、消化器内視鏡学会、消化器病学会、血液学会の専門医制度認定施設であり各々高度の診療を提供している。
当院の初期研修プログラムは、総合的、全人的な医療をめざす臨床医の基礎を形成することを目的とし、将来専門医をめざす前段階として幅広い臨床能力を形成するためにも有用である。
内科研修については、研修期間が6ヵ月と短いのであえて内科各科のローテーションとせず、研修期間を通じて各種疾患入院患者の担当医となり、指導医とともに診療に従事し、臨床医に必要な基本的診療に関する知識、技能を習得すると共に、検査に関しては循環器内科(心臓血管造影検査等)、呼吸器内科(気管支鏡検査等)、消化器内科(内視鏡検査等)を2ヵ月毎にローテーションし、担当以外の患者についても診療上必要な代表的検査を理解・実施できるよう学習する。
・1年目(必修)6ヶ月
・2年目の選択科のうち、Aコースでは1〜9ヶ月、Bコースでは1〜11ヶ月選択できます
各種疾患の特性を学び、内科診断・治療の基本を習得する。
- 初期診療の基本的臨床能力を身につける。
診療に必要な情報収集、迅速な検査・治療計画の立案・指示・実施ができ、バイタルサインの把握、生命維持に必要な初期の処置を的確に行うことができる。
臨床上の疑問点を解決するため、情報を収集し、評価し、当該患者への適応を判断できる。 - 患者を全人的に捉え患者及び家族との良好な人間関係を確立する態度を身につける。
医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームド・コンセントが実施でき、守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。 - チーム医療ができるよう、医療チームの構成員としての役割を理解し、医療・保健・福祉の幅広い職種からなる、医療メンバーと協調する習慣を身につける。
カンファレンスなどで、積極的に症例呈示や発表ができる。
必要時、他科あるいは指導医に記録を添えて転送する時期を判断する能力を養う。 - 医療を行う際の安全確認の考え方を理解し実施できる。院内感染対策を理解し実施できる。
- 慢性疾患の健康管理上の要点を把握し、社会復帰の基本計画が立案できる。
- 末期患者の管理と死後の法的処置を適切に行うことができる。
- 医療のもつ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献するために、保健医療法規、医療保険制度を理解し適切に診療できる。
医の倫理、生命倫理について理解し適切に行動できる。 - 診療情報、診療内容を正しく記録する習慣を身に付ける。
- 正確な問診法
患者の病歴など、診療に必要な過不足のない問診ができる。
患者・家族への適切な指示、指導ができる - 基本的な身体診察法
病態の正確な把握ができるよう、頭頚部・胸腹部・神経学的診察などを含む全体にわたる身体診察を系統的に実施し、所見を的確に記載することができる。 - 基本的な臨床検査
➀ 下記の検査を自ら実施し、結果を解釈できる。
血液型判定・交叉適合試験、心電図(12誘導)、動脈血ガス分析
➁ 下記の検査を受持患者の検査として経験し、自らあるいは専門家の意見に基づき解釈できる。
尿一般検査、便検査、血算・白血球分画、血液生化学的検査、血液免疫血清学的検査、細菌学的検査・薬剤感受性検査、肺機能検査、髄液検査、内視鏡検査、超音波検査、単純X線検、造影X線検査、X線CT検査 - 基本的手技・治療法
下記の基本的な内科的手技ができる。
注射法、採血法、穿刺法、導尿法、除細動、薬物療法、輸液、輸血 - 医療記録
チーム医療や法規との関連で重要な、下記の医療記録を適切に作成できる。
診療録、処方箋、指示書、診断書、死亡診断書、剖検報告書、紹介状、返信書 - 診療計画
診療計画を作成のうえ、診療ガイドラインやクリティカルパスを理解し、入退院の適応を判断できる。
- 下記の症状を経験し、レポートを作成できる。
不眠、浮腫、リンパ節腫脹、発疹、発熱、頭痛、めまい、視力障害、結膜充血、胸痛、動悸、呼吸困難、咳・痰、嘔吐・嘔気、腹痛、便通異常、腰痛、四肢のしびれ、血尿、排尿障害 - 下記の疾患の入院患者を受け持ち、診断、検査、治療方針について症例レポートを作成できる。
脳・脊髄血管障害、心不全、高血圧症、呼吸器感染症、食道・胃・十二指腸疾患、腎不全、糖代謝異常 - 下記の疾患の診療(外来診療又は受け持ち入院患者)を自ら経験する。
貧血、湿疹・皮膚炎群、蕁麻疹、皮膚感染症、骨粗しょう症、狭心症、心筋梗塞、不整脈、動脈疾患、呼吸不全、閉塞性・拘束性肺疾患、小腸・大腸疾患、肝疾患、高脂血症、中耳炎、アレルギー性鼻炎、屈折異常、角結膜炎、白内障、緑内障、腎・尿路疾患、前立腺疾患、横隔膜・腹壁・腹膜疾患、ウィルス感染症、細菌感染症、慢性関節リウマチ、アレルギー疾患、高齢者の栄養摂取障害、老年症候群
- 循環器内科
・心電図、心臓超音波検査の読影を基本に虚血性心疾患、不整脈、心不全の診断治療を修得する。
・CCUでの患者のケアや、心臓血管造影、PTCAなどの高度な治療法についても学習する。 - 呼吸器内科
・胸部単純X線写真の正確な読影を基本に、気管支喘息、肺炎などの一般的呼吸器疾患の診断と治療について修得する。
・呼吸不全における侵襲的・非侵襲的呼吸管理、肺癌の化学療法についても経験を積む。
・気管支鏡検査や胸水穿刺を受ける患者のケアにも参加する。 - 消化器内科
・消化管・肝・胆・膵全領域について診断学の基礎を修得する。
指導医とともに治療を行い、腹部超音波検査、内視鏡検査、腹水穿刺などの基本的手技を学習する。
・超音波検査は独自で実施できることを目標とし、超音波検査、内視鏡、血管造影を用いた治療が必要な患者のケアにも参加する。 - 血液内科
・白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫、再生不良性貧血、ITP、骨髄異形成症候群などの診断治療を学習する。
・骨髄穿刺、生検、輸血治療について基本的手技を習得する。 - 糖尿病内分泌内科
・糖尿病の教育、患者ごとの病態の評価、治療目的の設定、管理方法を学習する。
・インスリン治療の管理方法を習得する。
・内分泌疾患の診断、治療を学習する。 - リウマチ科
・関節リウマチをはじめとする膠原病全般の診断、治療を行う。
・関節所見など、基本的な理学所見の習得、また、呼吸器、循環器、血液疾患など、膠原病に伴う全身症状の管理を学ぶ。 - 内科一般
・上記各科疾患以外の精神疾患、腎臓疾患などの患者について診断治療を修得する。
・AIDSについても研修可能である。
- 各科別に達成目標が明記され、研修終了時に評価を行い、フィードバックされる。
- 週1回、入院患者の全体回診があり、担当以外の患者の疾患についても学習できる。
- 各種勉強会が定期的に開催されており、学会活動も盛んである。
- 内科各科の連携は良好で、内科全体の勉強会と入退院報告会が週1回開催されている。
- 病理解剖が可能であり、CPCが開催されている。
- 診療圏が広いため、初期研修に必要な種々の疾患を数多く研修できるのが当院の特徴である。
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