シンボルマーク 独立行政法人国立病院機構 姫路医療センター

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TEL:079-225-3211

小児科初期研修プログラム

研修責任者:梶原 敬一

プログラムの目的と特徴

  1. 小児の医療の基本は、何よりも症状の把握にある。それは、言語の獲得過程における症状の表現が身体的な表出のレベルから子ども特有の表現、さらに大人に対する特別の態度という形で、成人におけるようなストレートな表現とは全く異なったものであるからである。しかし、病む人はどのような人であっても少なからずこの小児において示される様々な段階の表現をあわせもっており、それを全体として把握することこそ全人的医療の基本的な出発点とならなければならない。
  2. 人は誰も一人では生きておらず、特に小児はそれを保護する者、養育する者と生活や行動をともにすることで生きていくことができる。病気もその小児を中心とする社会全体の疾病としてとらえられること、また治療においても小児とともにそれを保護する者、養育する者が協力してあたらなければ治療行為は成立しない。従って小児は小児をとりまく大人たちの中で社会的に治療されなければならない。
  3. 小児に特有の疾病としては、出産に伴う様々な疾病、遺伝的素因がつよいもの、或いは発達(精神・運動)に伴うもの、そして身体的成長・成熟に伴うものがあげられる。
  4. 小児に最も多く見られる疾患は、細菌やウィルス等による感染症があげられる。また、罹病率の上昇しているアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息)もあり、成人とは異なった見方を必要とする。
  5. さらに、急増している「こころの病気」としての不登校、自殺、さらに虐待を重大な医療的問題としてとらえることで、その背景にある小児が成人となっていくことを通してあらわれてくる様々な症状に適切な対応をすることが求められている。
  6. そして最後に小児がたんに小児としてあるのではなく、将来、成人となり成人病として経験する病をその生活の中に、また素因の中に持っていることを理解して、小児を通してその人の人生全体を見渡した対応を求められている。

以上の1)~6)の6つの視点を持って小児科の臨床を経験することこそ全人的医療の基本であることを十分に理解し、小児を診る視点をもって全ゆる治療の基本とする意識をもつことを目的とする。
これを主目的として、出来るだけ症例にふれる経験を通して、緊急時にあっては小児科治療のマニュアルを参考にして実際に治療がすすめられる手技を体得することを具体的な技術獲得目標とする。


研修期間

・2年目(必修)1ヶ月
・2年目の選択科のうち、Aコースでは1〜9ヶ月、Bコースでは1〜11ヶ月選択できます。


研修の目標

一般目標・行動目標

目的の1)~6)にそって次のように定める。


経験目標

経験すべき病態・疾患

下記の疾患の診療(外来診療又は受け持ち入院患者)を自ら経験する。
 小児けいれん性疾患、小児ウィルス感染症、小児喘息


小児科初期研修プログラム

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